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建築業界でのIT活用術

建築業界でのiPad活用術

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個人だけでなく企業での導入も多いApple社製タブレット端末「iPad」。建築業界でもいち早く業務で活用され始めています。iPadをどのように業務で活用しているのか、これからどのように使っていこうと考えているのか、建築パース製作、工務店、建築設計事務所でのiPadの活用方法を紹介します。

建築パース制作業におけるプレゼンでの活用

寺岡氏近影「パソコンって持っていくのが重いですし、起動するのも時間がかかりますから、お客様の興味がそれることもあるんです。そんなとき、iPadならスピーディーにプレゼンできるんじゃないか、と」
そう考えてiPadを購入したのは、東京都町田市の寺岡建築設計事務所で建築パース制作を担当している寺岡千恵子氏。

iPadを操作する寺岡氏「私の場合、建築パースは3DCGの他に、手描きで制作するものも多いんです。最近では3DCGの建築パースが一般的になってきたので、あえて手描きでお客様に提案したい、というご依頼が増えてきています。iPadなら3DCGパースも手描きパースも全部入れておけます。ハウスメーカーさんとの打ち合わせのときは、iPadでこれまでの作品を見ていただきながら、発注いただく建築パースのテイストを指定していただけてます」
iPadの大きくてきれいな画面なら、紙よりきれいに作品を見せることができるのもメリットとのこと。

また、建築パース作成のインスピレーションを得るためのアプリとして『Garden & Landscape Design』や『Dream Home』といった建築写真集もインストールしている。
「海外の建築はデザインがおしゃれなものが多くて、インテリアパース作成のヒントになることが多いんです。iPadで眺めているだけでも楽しい気分になりますよ」
紙の写真集は分厚くて重いものだが、iPadなら何冊でも写真集を持ち歩くことができるので、いつでも気が向いたときに好きな建築作品を眺めることができる。

iPadで建築パース制作のためのイマジネーションをいつでもどこでも高めている寺岡氏である。

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工務店における業務効率につながる現場での活用

成田氏近影「iPadを見せるとお客様の関心を引いて会話が弾みます。それがお客様の本音をうまく引き出すきっかけになります」と言うのは埼玉県春日部市の工務店、株式会社DSKの成田孝満社長。同社では新築住宅はもちろんのこと、住宅・店舗のリフォームやリノベーションも数多く手がけている。

成田社長は効率よく業務を進めるため、現場でiPadを活用している。
オンラインストレージサービス『DropBox』のアプリを使って、デスクトップパソコンのデータとiPadのデータを同期している。成田社長はDropBoxの同期フォルダにこれまで設計・施工した建築パース画像や図面などをすべていれている。

建設現場でiPadを使って完成イメージを確認している成田氏「建築パースや図面って結構かさばるし重たいでしょう。でも『DropBox』ならこれまでに扱った物件のすべての資料をいつでもどこでも引き出せるんです」
これまでたくさんの図面や建築パースを持ち歩いていた成田社長だが、iPadを導入してからはiPad一つで現場に行くようになった。 さらに図面を職人に見せる上でiPadならではのメリットがあるという。
「年配の職人さんの中には老眼が進んでいる方もいます。でもiPadなら図面の見せたい部分を自由自在に拡大できるんです。職人さんも喜んでくれますよ」

また、『年齢早見』というアプリを使って施主とのコミュニケーションをとっている。施主の年齢を調べるのかと思いきやそうではないとのこと。
「僕は築年数を調べるのに重宝しています。『昭和50年築、ということはもう築36年ですね』みたいな感じに使います。築年数に応じて補修の必要なところが違ってきますが、こうやって築年数をすぐに計算するとお客様も『もうそんなになるのか』と納得してくれます」

iPadを施主とのコミュニケーションから現場まで幅広く使いこなしている成田社長だ。

その他に株式会社DSKが活用しているアプリ

『Camera for iPad』。
iPhoneのカメラでとらえた画像をBluetoothでiPadに送るというアプリ。耐震補強の相談の際に使用。
「お客様にはiPadを持ってもらい、僕はiPhoneを持って床下に潜るんです。そして基礎や柱の状況をリアルタイムにiPhoneのカメラで撮影して、お客様にはそれをiPadで確認してもらいます。現状の床下の状況を納得してもらえるというわけです」
写真を撮って見せても、本当に自分の家のものかどうか疑わしい…と思う施主でもこの方法なら間違いない事実をリアルタイムで伝えることができる。施主との信頼関係を強固にすることにつながるとのこと。

成田氏が作成した施主様向け3DCGパース

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建築設計事務所におけるお客様とのコミュニケーションでの活用

谷口氏近影北海道札幌市で建築設計事務所オフィス・ワン設計を営んでいる谷口修一氏がiPadを導入した理由はきわめてオーソドックスだ。
「仕事の効率化を追求する中で、今までこれが一番便利だなと思いました」
ノートパソコンよりも軽くてバッテリーが長持ちしてクイックレスポンスであるところがiPadの魅力だと谷口氏はいう。
実際、谷口氏は仕事の多くをiPadだけでこなしている。

タッチペンを操って手早く文字入力をする谷口氏宅地建築取引主任責任者の資格を持っている谷口氏は、不動産の仲介も主要業務の一つ。iPadを常時持ち歩いていれば、施主とのちょっとしたやり取りも新しい取引のきっかけにつなげることができるという。
「不動産系アプリでは『土地活用診断V-check』というのを使っています。土地の有効活用としてマンション経営の相談を受けたとき、このアプリをつかってざっくりとした収益性をその場でシミュレーションするんです。算出根拠が一目でわかるのでお客様の信頼感を得ることができて、詳細設計の受注につなげることができます」

こんな便利なアプリも無料であるのがiPadのいいところだ。さらに「これも無料?」と驚くアプリも紹介してもらった。
「『電子法令検索』というアプリも便利です。基本六法はもちろん現行の7500法令が全部入っているんです。アプリ内にデータが全部収録されていますからネットにつながらなくても使えるんですよ。いろんな法的規制についてこれをお客様に見せながら説明すると、スムーズに納得してもらえます」

iPadの機動性と豊富な無料アプリを有効に活用して、日々の業務で活用している谷口氏である。

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工務店におけるイベントでの接客・集客での活用

神崎社長近影「イベント開催の接客にはiPadが最適です」
というのは株式会社神崎工務店の神崎嘉博社長。同社は北九州で創業以来30年、一貫して介護が必要な方のためのリフォームを中心に手がけてきた工務店。

神崎工務店では介護のためのリフォームを紹介するフェアを定期的にショッピングモールなどで実施している。
「フェアではお客様と立ち話で説明することも多いのですが、iPadなら手軽に持ち運べ、素早く起動して画面を見せながら話すことができます。なのでiPadの写真フォルダにこれまでの工事例やさまざまな専用機器の写真を入れておき、要望に合わせた画像をお見せしています。それにフェアで見せるのは写真だけじゃないですよ」

イベント会場では機動力のあるiPadが便利といって見せてくれたアプリは『3Dプレイスビューア』だ。これは住宅デザインソフト『3DマイホームデザイナーPRO』のデータをiPadで見ることができる無料アプリ。介護リフォームの提案に同ソフトを使用しており、フェアの時には説明用に3DCGでも工事事例を見せている。

「見せたいところを360度、好きな角度から見せられるのが便利です。写真では全体像がわからない玄関ポーチの段差解消機設置の様子もこれなら一目瞭然です」
iPad自体、注目度が高い機器なので集客力があるそうだが、3DCGの家を見せると感嘆の声を上げてもらえ、より多くの人がブースに集まってくると神崎社長。

これからは施主宅を訪問しての打ち合わせにも、ノートパソコンの変わりにiPadを持っていくことも検討中とのことだ。

その他に神崎工務店が活用しているアプリ

『ローン計算 iLoan Calc』。
施主との相談の場ですぐに支払い月額や返済スケジュールをシミュレーションすることができる。
「工事金額の総額をいうより、『月々の支払いはこれくらいで済みます』と言う方がお客様は判断しやすいです。その場でざっとした支払い額を試算してあげることで、契約いただくまでの時間が短縮できますね」
電卓で計算するよりも、iPad上で数値を入力して見せながら資産することで、ローン計算の信頼性も高まるのだそうだ。

段差解消機の説明用パース

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ページ公開日:2011年7月20日