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建築パース イベントレポート


Visualizing Architectural Design Exhibition(VAD)国際建築イラストレーション展

日本アーキテクチュラル・レンダラーズ協会(JARA)の主催で毎年開催されている「建築パース展」に代わって、今年は、日本ではじめて開催される「UIA2011東京大会 第24回世界建築会議」の関連イベントして企画された「Visualizing Architectural Design Exhibition(VAD) 国際建築イラストレーション展」。
2011年10月8日(土)から13日(木)の6日間、株式会社内田洋行大阪支店の大阪ユビキタス協創広場CANVASで開催された大阪展に行って来ました。

イベント概要
Visualizing Architectural Design Exhibition(VAD) 国際建築イラストレーション展
<個性的かつ合理的な建築パースの展示>
展示会場には、世界7カ国(アメリカ、イギリス、オーストラリア、韓国、日本、カナダ、中国)の約190点の建築パースが展示されています。エントランスにまで建築パース作品が並んでいて、会場に入る前から作品の多さに圧倒されます。
大阪展の会場のディスプレイデザインは、株式会社日建設計の大庭拓也氏が担当(名古屋展のディスプレイデザインも担当)。ディスプレイデザインのコンセプトは「建築的な展示空間」。

会場に入ってまず目を引くのが、建築パースを積み上げて作られたタワー型のディスプレイ。タワー型ディスプレイは各国の建築パース制作団体・制作企業ごとに構成されており、国ごとの建築パースの描き方や表現方法を確認したり、他の国の建築パースと見比べたりすることができるようになっており、建築パースの見せ方に趣向が凝らされていました。
また、フロアにはベンチが配置されており、建築パース作品をゆっくり見られるような配慮も。ベンチに座ってお気に入りの建築パースをじっくり眺めている人の姿も見られました。
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<建築パースは世界共通>
海外の建築パース作品を多数展示しているので、海外作品に注目して展示を見ました。特に気になったのは、建築パースに描かれている空模様。
建築パースは、明るく、建築物が綺麗に見えるので当然晴天で描かれるものだと思っていたのですが(展示されていた日本の作品もほとんどが晴れていました)、海外の作品には雨が降っていたり、雪が積もっていたりしている建築パースがいくつかありました。雨だと当然空には黒い雨雲があって、地面には雨が落ちているのですが、しっかりと建物が映える建築パースに仕上がっています。描かれている建物の魅力を伝えるために考えぬかれた結果、雨模様や雪景色になったのだと思います。建築パース製作者の表現力のレベルの高さを感じました。

また、展示作品は、建築パースを描く技法や建築パースの大きさ、形がどれも違っています。ハガキサイズの建築パースや額装に困りそうなくらい横長の建築パースもありました。国際建築イラストレーション展(VAD)大阪展の実行委員長を務めます西口浩英氏によりますと「建築パースのサイズや描く手法は、描かれている建築物の魅力を表現するために建築パース製作者が考えた結果このようになっています。本展示では、各建築パース作品の意図を尊重し、そのままの状態で展示をしています」

なるほど、建築パース製作者は、建築物を最も魅力的に見せるためにはどう表現すればいいのかを考えて視覚化する演出家なのですね。建築物の魅力を引き立てるのは、設計者、デザイナーだけではなく、建築パース製作者の演出力も重要な役割を果たしていると改めて感じました。国が違っても、描く建築物が違っても、表現すべきことは世界共通なのだと感じる展示会でした。(H.T.)
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ページ公開日:2011年10月28日