CADとは
CAD(キャド)とは
CADはComputer-Aided Design(コンピューター支援設計)の略ですが、ほとんどの場合、コンピューター上で設計図などの作図を行う「CADソフト」を指します。

従来、製図台(ドラフター)で行っていた作業をコンピューター上の作業に置き換えたものが「2次元CAD(キャド)」です。平面図、立面図など、印刷・出力するのと同じものをコンピューターで作っていきます。入力するのは線分や円弧などで、製図台で作図するときと同じです。
このとき、設計図を元にできあがるもの、建築系なら家やビルの立体形状は設計者の頭の中です。それを2次元に投影したものをCADで入力するわけです。
これに対して、3次元CADでは3次元形状を入力します。建築系なら家やビルの立体形状自体をコンピューターで作っていきます。入力する要素は直方体や球などの立体形状です。
平面図、立面図などを印刷・出力するときは、CADソフトが3次元から2次元への投影計算を行うので、人間が投影作業を行う必要がありません。
2次元CADの利点は、定規やコンパスの代わりに手軽に使えることと、無料のものもあるなど安価なことです。
3次元CADの利点は、設計中のものをいろいろな角度から眺めたり、それを印刷・出力できることです。デザインの出来栄えや、形状同士の干渉のあるなしなどをチェックしながら試行錯誤したり、お客さんにデザインを見せて意見を聞いたりする必要があるときは3次元CADが便利です。

▲二次元CAD

▲三次元CAD

設計図が必要な分野は、ビルや住宅を建てる「建築系」、自動車や家電製品を作る「機械系」などいろいろありますが、どの分野にも共通した作図・設計機能のみを備えているのが「汎用CAD」です。2次元の汎用CADなら線や円弧、3次元の汎用CADなら直方体や球など、どの分野にも共通した要素を入力して設計・作図します。
これに対して、各分野に特化した機能を備えているのが「専用CAD」です。たとえば建築系に特化した「建築CAD」なら、屋根や窓、階段をすばやく入力する機能を備えています。
専用CADには、最初から専用CADとして開発されたタイプと、汎用CADとして開発されたものに用途別の「プラグイン」あるいは「アドオン」などと呼ばれる追加のプログラムを組み込んで専用CAD機能を追加するタイプがあります。
ページ更新日:2021年10月26日